記憶

6/11
前へ
/121ページ
次へ
「え?え??何の話なん?誰が私に似てんの?」 「ゴメンな、結恵。こいつら自分ワールドで笑。今日な、厨房で俺らと同い年くらぃの子が働いとるの見つけてん。で、その子が結恵に似とるかどうかって言い合ってんの。俺は見てねぇからわからへんけどな」 「そうなんや。そんな子いたんや…。なんか三神君、その子の事すごく気になってるみたいやね…」 「…結恵?」 「なんでもなぃ。私向こうに友達待たせてるからもぅ行くね。あの二人話に夢中みたぃやから、またねって言っといて」 「え?自分で言わんでぇえんか??」 「うん。ありがとぉ、ナオヤ。あ!!ナオヤ!三神君と仲直り出来てよかったね。ホンマは三神君にもその事言ぉと思って声かけたんやけど…。じゃぁ、またね」 と、結恵はニコッと笑い、友達の元に戻って行った。 俺はそんな事に全く気付きもせず、ずっとツグミが誰に似ているのかを思いだそうとしていた。  
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加