想い

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  「アサミちゃん?」 「ぇっ?!えっ?」 アサミの声は強張っていた。 「…。ご飯食べれそう?あんま美味く作る自信ねぇけど作るわ。出来るまでアサミちゃん休んどき」 「え…あっ、うん。ありがとぉ」 (アサミちゃん…明らか俺の事、警戒しとるやん…〓俺ってそんな信用ないんか?涙) ナオヤはアサミの明らかな態度にショックを受けながらも、料理をし始めた。 料理を作り始めて少し経った時、アサミがナオヤに声をかけた。 「ナオ君?」 「ん?どしたん?お腹空きすぎた?もぅちょっと待ってな、もう出来るから」 「あ、ぅん。ありがとぉ。…タケ、まだかな?」 「ん~あの女、一筋縄ではいかなさそぅやからな。まだ時間かかるかもやな」 「え?あの女??」 「え?いや、何でもねぇよ」 「え??何?どうぃうこと!!…ゴホッゴホッ」 「ほら!!興奮するから。大丈夫??」 ナオヤは料理をするのを止め、ベットの上にいるアサミに近づき、背中をさすった。 アサミは涙目になりながら、ナオヤに言う。 「ケホッケホッ…タケは…何しとん?」 (そんな目で見んなって。ヤバぃっつぅの…) 「タ…タケ?タケは用事が…」 「何の用事?」 アサミは潤んだ瞳でナオヤを見つめる。 その瞳にナオヤは理性を失いそうになるのを必死に堪えた。 「…タケはツグミって言う女を、追っかけて行ってもた。なんか頭のモヤモヤと、ツグミって奴が関係しとるんちゃうかって、よぅわからん事言いながら」 「頭のモヤモヤ?ツグミ?」 「あ~ツグミって言うのは、食堂で働く新人さん。初めて今日見たんやけど、タケがその子の事をやけに気にしとってな。さっきスーパーですれ違って、それからもずっとツグミちゃんの事ばっか考えとって。今日のタケ変やな。あんな女に興味もつなんてな」 「…」  
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