記憶の断片

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  ツグミの住むマンションに着いた。 「ありがとうございました。もうここでいいんで降ろして下さい」 『いや、部屋まで送るで。部屋どこ?』 「いいです。部屋までしられたくないんで」 『え?なんで?俺全然怪しなぃやん。信用してや』 「は?!どこが?よくそんなこと言えますね[★]ストーカー、強制、脅し!!怪しくない訳ないじゃないですか[★]第一、名前も知らんし、信用できへんわ!!」 『あれ?俺、名前言うてへんかったっけ?』 俺はツグミを降ろし、ツグミの方を向いた。 ツグミは急に降ろされた事に少し戸惑った。 『俺は三神猛。よろしくお願いします。身長178センチ、56キロ。家は一人暮らし。趣味は野球、サッカーやなぁ。で、好きな食べ物はハンバーグ、嫌いな食べ物はトマト。あと…』 「ちょっ💦ちょっと!!声でかいし!!皆見とるやろ!!」 『え?』 いつにもなく声のボリュームが大きかった為、周りにいた人達が俺達を見ていた。 ツグミは恥ずかしくて、顔が真っ赤だった。 『あ💦悪りぃ、ハハッ。でも、俺の事だぃたいわかったやろ?』 と、俺はツグミにニッと笑った。 「あなたの事はわかりました。やからって、それが信用には繋がりません」 『え?まだ?ん~後は…家族構成は親父、お袋…』 「それはもういいって!!」 『え?』 「ん~[★]わかった、わかりました!!部屋行くんで、肩貸してくれますか?背負われるのは、もう絶っ対嫌なんで、歩いていきますから」 『えっ?あぁ!!それって部屋まで行っていいってこと?』 「あかんって言うても、ついて来るんでしょ?」 ツグミは呆れているようだったが、俺はつい嬉しくて叫んでしまった。 『よっしゃーッッ!!!』 「うるさぃ!![★][★][★]」 ツグミに怒られても、俺は何故か嬉しさが抑え切れず笑っていた。
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