第八章

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『幸一の言う通り、ここでは無反動砲を使う。そして無反動砲によって出来た左右の穴からそれぞれ1個班ずつ侵入し、一気に叩く!! 敵もまさかウチらが2個勢力で攻めてくるとは思わないから、かなり揺さぶれるはずや。   ちなみに班編成やが第1班がオレと裕司、第2班が幸一、そして1班と2班にウチの小隊の人間を均等に振り分ける。小隊でキメラ対処は十分に出来るやろうからオレ達は能力者の撃退のみに集中できる。   オレからは以上や。何か質問は?』     ……侵入した後の行動が『叩く!!』のみである事に少々疑問を感じたが、今までの佐々木の行動を振り返ると妥当な考えであったのであえてそこは質問しない事にした。   質問がない事を確認した佐々木と幸一は顔を合わせてニヤリと笑って立ち上がり、そして公園の出口に向かって歩き出した。なぜかその後ろ姿は純粋な少年のように見える。   『裕司、何してんだ?早く行くぞ、ついてこい。』   『え?…ああ。』   オレは佐々木に言われるがままに公園の外に出た。そしてすぐそこに駐車してあった幸一の車に乗り込んだ。まったく、マイペースにも程がある…それにしてもいったいどこに行くのだろう?   バタン…   全員が車に乗り込み、幸一がエンジンをかける。そしてどこに行くのかも言わずに車を発進させた。   ……     しばらく国道を走らせていた幸一だったが、すぐに高速道路がある方向に向かって走り出した。   県から出るとなれば高校生のオレにとっては問題がある。オレは慌てて2人に目的地をきいた。   『ねぇ、これからどこに行くの?いい加減、知りたいんだけど…』   佐々木と幸一はオレの質問を聞いてピクリと反応し、また顔を合わせてニヤリと笑う。そして口を揃えてこう言った。   『『三井グリーンランドに行くぞ!!』』  
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