第八章

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 ヤンキーを片付け、休憩所に着く頃には時刻はすでに12時を回っていた。ほどよい空腹感も感じる。昼食は2人と合流してからと考えていたが、そうなるとどうも夕飯の時間になりそうだ。   『しようがない…1人で食べるかな?』   1人寂しくカウンターで昼食を注文する。見えを張って2人分注文しようかとも考えたがそれも馬鹿らしい。 オレはハンバーガーをほうばりながら目の前に見えるアトラクションを呆然と見つめていた。   (あれ、中学の修学旅行の時に乗ったなぁ。確か座り乗りと立ち乗りの2パターンがあって…名前ば風神雷神"だったっけな?)   しばらく思い出に更けながら見つめていると、立ち乗りの方が発進し始めた。先頭には両手を上にあげてゲラゲラと笑う男がいる。   『大の大人がみっともないなぁ…。ああいう大人にはならないように気をつけ………』   ……!!   佐々木である。隣に幸一がいるのも確認できた。まさかこんなところで発見できるとは…やっとこれで1人から解放される… オレは驚きと嬉しさの余りに、ハンバーガーを食べる事すら忘れて風神雷神の降り口まで走った。      『いや~!!やっぱ風神雷神は立ち乗りに限るなぁ幸一ぃ?』   『そうだね~!!股下が少しいたいけど、コレはやめられないね!!』   佐々木と幸一は楽しそうに会話をしながら降り口の階段を降りていた。そして階段の下で待っているオレを見て何の悪気もない様子で笑って手を振る。   『裕司君?裕司君もバッチリ遊べてるかなぁ?』   『いや、まだ1つも遊んでないけど……』   『何だお前…全然エンジョイできてねぇやないか。勿体ねぇなぁ。』     遊園地を1人でエンジョイできる奴がいたら教えてくれよ……   オレが肩を落としてため息をつくと、佐々木と幸一は不思議そうにオレの顔を覗き込んだ。   『…?どうしたん?オレ達がいない間に何かあったんか?』   『いや……何もない。とりあえず、3人で行動しない?』   オレの様子を見て佐々木はしばらく考え込んでていたが、すぐに何かひらめいたらしく、頭をポリポリかきながら謝ってきた。   『そういう事か!……ごめんな裕司。地図を渡してなかったから、何処に何があるかわからなかったやろ?』   ……ズレてるよ?
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