第九章

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 しばらくすると右手の方に大きな水溜まりが見えた。おそらくこれが黒木ダムだろう。 ということは、オレ達は黒木町に着いたのか?   『もう少ししたら橋がみえるはずや。そこに警戒班と偵察班が2名ずつ、計4名の人員を待機させとる。裕司にもわかるように、待機人員はブルーアイズとクール扇とその班員や。 オレと裕司はブルーアイズ、幸一はクール扇の誘導で攻撃位置まで徒歩で前進する。』   佐々木の説明が終わって5分もしないうちに車は橋へと到着した。前方に人影が見える。1、2…4人いるので佐々木が言った待機人員で間違いない。 オレ達はその4人の元に駆け寄ると、それを確認した一人が機械的な動きで佐々木に敬礼を実施し、大まかな現在の状況とこれからの行動について説明を始めた。   『佐々木2等陸尉…直接戦闘小隊はすでに二手に分かれて攻撃位置で待機しています。また各班の人員・武器・弾薬・器材については異常ありません。 敵情ですが、先程報告してからの大きな動きはありません。よって今から攻撃位置に前進しますので私達の後について来て下さい。』   オレ達はそれぞれの班にわかれ、それぞれの攻撃位置へ向けて前進した。   今からオレ達の最後の戦いが始まる。     待っていろ、菅藤……          …もうすぐこの手で握り潰してやるからな
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