第九章

7/30
前へ
/150ページ
次へ
 警戒ポストまではテントから200メートル程いった所にあるらしい。ポストとテント間は連絡を取り合うために電池式の電話機が設置されている。その電話機のコードをたどっていけばすぐにポストにたどり着くのだそうだ。 オレ達と直接戦闘小隊はそのコードを頼りにポストへ向けて歩いた。   『いいか裕司、大多武演出場でも言ったがここから先は声と音は必要以上に出したらいかんぞ。』   オレは佐々木の指示に対し、歩きながら無言で首を縦にふって答えた。         ポストにたどり着くと2名の警戒員が銃を構えてじっと前方を監視していた。 すかさず佐々木は警戒員らに指示を出す。   『警戒お疲れさん、佐々木2尉や。テントにオレ達が無事に到着したことと射撃も予定時刻通りに実施することを伝えろ。 それと直接戦闘小隊は射手、装填係、安全係を1名ずつ置いて射撃の準備を実施。装填と射撃はオレの指示で行え。 現在時1015、あと15分後に84mm無反動砲を発射するので、済々と準備をするように。』   佐々木が話しを終えたと同時に警戒員と直接戦闘小隊の隊員は、全く無駄のない動きで報告と準備を始めた。   射手らはほんの5分程度で準備を完了させ、いつでも発射出来る事を佐々木に合図する。       そしてしばらく沈黙が流れた。       ……発射5分前。   いきなり佐々木が号令をかけた。隊員もその後に続いて迅速に行動、報告を実施する。   『後方確認!!』   『安全装置よし!!後方よし!!』   『弾込め!!』   ……ガチャ   『弾込めよし!!後方よし!!』   『目標前方200敵拠点!!』   『確認よし!!』   『安全装置解除!!』   『安全装置解除よし!!』   『撃ち方ようい……』       『撃て!!』       ドオォォォン!!!
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加