第九章

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    バン!!     扉を蹴り開けると、そこには大多武の拠点と同じようなだだっ広い部屋があった。先の方には扉も見える…   『ここには隠し扉はないから前の扉に入れば先に進める。しかし必ず罠があるはずや…あまり大きな動きはとるなよ。』   直接戦闘小隊を先頭に置き、オレと佐々木は背中を合わせて四周を警戒しながらゆっくりと前へ進んだ。 しかし…       ………ガコン!!       オレ達が入ってきた扉が勢いよく閉まった。戻って扉を開けようとしたのだがびくともしない…どうやら閉じ込められたみたいだ。 オレはニヤリと笑って佐々木に言った。   『……これは、何かが起こりそうだよね?佐々木さん。』   『十中八九キメラの大群やないか?連中は芸が無ぇからな。』     ……ドスン。     『やっぱりな……』   オレ達の予想は的中し、部屋の天井から無数のキメラが降ってきた。既に興奮しているキメラ達は牙を剥き出してオレ達に襲い掛かる。 佐々木は乱暴に笑いながら構え、迎撃の体制に入った。それを見てオレも戦うために手刀をつくる。   『ちょうど暴れたくてウズウズしとったところやったんや。やっとこれでオレ達も暴れられる…こんなところでくたばるんじゃねぇぞ、裕司!!』   『佐々木さんこそ、弱音を吐いたりしないでよね!!』   『ガキが調子に乗りやがって…覚悟しろキメラ!ベッコンベッコンにしてやっからよ!!』   オレ達は襲い掛かってくるキメラを片っ端から倒していった。しかし、余りにも数が多過ぎる…仲間の援護に回りながら戦闘をしていくうちに、しだいに陣形も崩れ、オレと佐々木との距離がどんどん離れていってしまった。           そしてついに、オレ達に危機が訪れる。
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