第九章

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坂江は再び佐々木へ攻撃をしかけた。相手の゙術(すべ)゙がわからない佐々木には、防御を固める以外の選択肢はなく、ただひたすら坂江の攻撃を受け流す事に集中する。   (おそらく相手は最初から全力で゙術(すべ)"を使って戦っているにちがいない…早くそれを見つけ出さないと体がもたねぇ)   相手の゙術(すべ)"を探ろうにも、坂江が佐々木にしかける攻撃はどれもが空手技、もしくは柔道技で゙術(すべ)"を使ったような常識はずれの技は見せない。   しかし今まで受けた事もないような連続技がくる一瞬だけ、かすかな違和感は感じている。 それは単に意表を突かれたからという理由ではなかった。   そして佐々木の゙術(すべ)"が通用しないという2点が相手の゙術(すべ)"を知るための鍵になるだろう。   (゙術(すべ)"さえわかれば何とかなるはずや…早くそれを見つけねぇと。)   絶対的に不利な状況は焦りの感情を増幅させ、佐々木の手元を狂わせる。   ガス…!!   『がはッ!!イイモンくれるじゃねぇか……』   『どうした!?考え事か!!何を考えようが無駄だ…お前はオレに゙勝てないようになってる"んだからな!!はははは!!』   佐々木に一撃をおみまいした坂江はそう言って甲高く笑った。   (くそ!こいつが言う通り、本当に゙勝てないよう"になってんのか!?)     ………?     ………勝てないように?         『そうか!!!』   『?』   佐々木はつい声を出して叫んだ。どうやら最大の問題であった相手の゙術(すべ)"がわかったようだ。 佐々木は笑いながら自信満々の表情で坂江を指差して言った。   『坂江!!お前の゙術(すべ)"はわかったぞ!!オレとしたことが、どうしてもっと早く気がつかなったのか不思議なくらいだ。 いいか坂江、お前の゙術(すべ)"は無視。そう………』           『゙万有引力無視"や!!』
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