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『優子!!』
オレは目を覚ました。天井が見える。周囲を確認するとどうやらオレの部屋のようだ。そしてオレはベットの中で寝ている。さっきまでの事は夢だったのか…?オレはゆっくりとベットから起き上がり、自分の部屋を出た。
階段を下りて、リビングへと入った。
そこには母がいた。オレは今日の不思議な夢を母に話そうとした。
『母さん、聞いてよ。今日はすごい変な夢を見たんだ。すごくリアルで、まるで本物み…母…さん?』
母は今にも泣きだしそうな顔でオレに抱きついて来た。どうしたんだ?そんなに朝から話しかけてもらったのがうれしかったのか?母は声を震わせて言った。
『裕司!!よかった…無事で…。母さん、あんたが知らない男に運ばれてきた時はもう駄目かと…!!』
その母の言葉を聞いてオレは鳥肌が立った。あの出来事は夢じゃない?じゃあ、今優子はどうなっているんだ。オレは母の肩を強く掴み訪ねた。
『母さん優子は?優子はどうなったの!?』
『…優子とかいう女は今病院にいる。』
聞き覚えのある声だ。オレはその声のする方を振り向いた。
……!!
あの時、オレの意識が途切れる寸前にオレの後にいた男がいる。オレは母を後に隠し、身構えた。しかし母はオレを押しのけて前へ出た。
『この人があなたを連れて来てくれたのよ。御礼くらい言いなさい。』
男は笑って両手を上に上げた。どうやらオレの勘違い、敵ではないようだ。
『ごめん…助けてもらったのに。』
『まぁそれは仕方ない。それより、優子とかいう女の所には行かないのか?車ならオレのやつがあるぞ。』
確かに今は一刻も早く優子の状況が知りたい。オレは若干、男は敵ではないかと考えたが、敵であるならあの時にやられているはずであるのですぐにその考えを打ち消した。
そしてオレは頷き、男の車に乗った。
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