第三章

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ジリリリリリリ!! 目覚まし時計が鳴っている。もう朝か…。今日もまた、あの公園で戦う訓練が行われる。オレは時計のアラームを消そうと手を伸ばした。   『…!!』   身体が動かない!?これは一体どうしてしまったのだ!?   …全身が筋肉痛なだけなのだ。足先と指先以外は動かそうとすると、ずんと重い痛みを感じる。そういえば別れ際に佐々木がよく柔軟をしておけと言っていたな…。こういう事だったのか。   オレは転がり落ちるようにベッドから出た。   階段を下りるのも一苦労である。こんなに階段を下りるのに時間をかけたのは初めてである。 しかしこれが親にバレないようにリビングでは普通に振る舞わなければならない。   オレは小さく気合いをいれてリビングに入った。   『お、おはよう…。』   無理して普通に歩こうとすると両足に筋肉痛特有の痛みがはしる。それによってオレの朝の挨拶はかなりぎこちないものになった。 その異変に母はすぐに気付く。   『どうしたの?裕司?』   一昨日の事件で母もかなり神経質になっているのだろう。 このまま家にいると変に心配されそうだったので、オレは急いで学校へ行く支度をして家を出た。
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