第三章

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 ストレッチをしたが昨日より体が曲がらなかった。まだ筋肉痛がとれない…こんな状態で公園を6周も走る事ができるのだろうか?   『さてと…準備運動も終わったし、裕司。走ってこいよ。』   ストレッチが終わると佐々木はオレにそう言って、昨日と同じく公園の芝生にゴロンと横になった。 あの人の仕事ははこれだけか?オレが走らずに佐々木を見てると佐々木はオレに掌を向けた。   『…いてっ』 オレの頬に小指の先ほどの大きさの小さい石が当たった。佐々木はニヤリと笑い、掌をひらひらと振った。…さっさと走れってか?石を投げる事もないのに…。   オレは仕方なくロードワーク18キロメートルを走り始めた。   だがやはり痛い。膝を少し持ち上げるだけでふくらはぎとふとももに鈍い痛みがはしる。オレはぎこちなく、がに股で走った。 佐々木はそれを見て腹を抱えてゲラゲラ笑った。 優子の仇をとった後にコイツも倒してやろうか?オレは怒りを押し殺しながら走った。   最初の1周はぎこちなかったが、走っていくにつれてだんだんと足への痛みは消えていき、2周目に差し掛かる時にはほとんど痛みはなかった。 それどころか昨日より足が軽く感じる。   この時オレは、瀕死状態から回復すると戦闘能力が上昇するサイヤ人を思い出した。オレはサイヤ人だったのか…。   オレはその調子でなんとか公園の外周6周を走り終えた。
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