第三章

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 今日一日の訓練を終えて帰宅したオレは、くたくたになって自分の部屋のベッドに倒れ込んだ。   『だは~。何なんだよ今日の訓練は…。あんなの毎日していたら命がいくつあっても足りないよ。オレは自衛官じゃないんだよ。ただの普通の高校生なんだよ~。』   オレは佐々木への不満をおもいっきりぶつけた。…佐々木がいないこの部屋で。   『裕司!ご飯出来てるよ。下におりてきなさい!』 母がリビングから呼んでいる。そういえば夕飯も食べずに二階に上がったのだった。オレは肩を落としてリビングへ歩いた。   食欲は一日中動いているだけあって旺盛である。オレはこれでもかと言わんばかりに胃に物を詰め込み、そそくさと風呂場へ向かった。疲れきったオレには家族との団欒なんてする余裕はなかった。   入浴中も筋肉をよく揉みほぐした。また今朝みたいに全身筋肉痛になるのは勘弁である。   風呂から上がり、最低限やるべき事を終わらせたオレは再びベッドへ倒れ込む。疲れきったオレにはこれ以上の事はできない。   そして朝が来るまで瞼を閉じる。眠れないのでは?という心配はいらない。今のオレはのび太君並に眠るのが早いのだ。         いつもは熟睡してすぐに朝が来てしまうのだが、今日は珍しく夢を見た。
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