第一章

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 どんな事でも、優子と一緒にすれば全てが違って見えた。勉強も、何でもない話しも、学校の帰り道も。 また、優子のどんな表情も愛おしく感じた。笑った顔はもちろん、照れている顔、怒った顔、泣いた顔、困った顔…目に入れても痛くないとはまさにこの事である。   オレはそんな幸せな時間を2年間も連続で感じていた。   逆にこの幸せが崩れた時の事を考えると怖くなった。自分が生きていけるのだろうかと心配になるほどだった。   そんな、オレの全てと言っても過言ではない優子との出会いはオレが高校に入学した年、今から2年前の4月25日だった。もうすぐゴールデンウイークを迎えようとしていたときの事である。
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