第四章

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 始めに佐々木が言っだ常識をブッ壊す"という言葉…そんなものは信じていなかった。しかし目の前で見せられたら信じる以外の選択肢はない。 オレの中の常識は音を立てて壊れた。   『裕司、お前にも゙常識を壊す"素質がある。だから連中はお前を狙ったんだよ。』   佐々木の言葉を聞いてオレはゾッとした。今まで普通の高校生として生活していたのに、本当はこんな化け物みたいな力を秘めていたなんて…。   『佐々木さん…オレは普通の人間じゃないの?』   佐々木は笑ってオレの頭をポンと叩いた。   『安心しろ、お前もオレも普通の人間だ。裕司、ところで人間の脳はどれだけ機能しているかわかるか?』   『どれだけって、急に言われてもなぁ…。』   佐々木はオレの返答に対し、センスねぇな…とため息をついて言った。   『何でもいいから適当に答えろよ…。 実はな人間の脳は30%しか使われてねぇんだ。しかもそれは科学者なんかが30%だから一般人はもっと脳の使用率は下がる。その少ない、ほんの一握りの脳だけを使って人間は今の常識を作り出した。 温度、摩擦、万有引力、作用、反作用、ベクトル、時間…。こういった常識ば昨日までのお前"にとっては揺るがない事実、すなわぢ絶対"だったはず。でもそれはあくまでも30%の中の゙絶対"にすぎない…。』   『じゃあ…残りの70%では違うって事?』   『勘がいいな。その通りや。脳の未使用の70%部分、通称゙ナイトヘッド"…。それは眠っているだけで死んではいない。   だから、目覚める。   ゙ナイトヘッド"はオレ達の゙知らない常識"を教えてくれる。それがオレがいゔ術(すべ)"というヤツや。しかし、ただ単に眠っていた所が起きただけだ。 だから体の作りも普通の人間と何らかわりない。お前は人間なんだよ。』   佐々木はそう言うとオレを車に乗せた。どうやら帰るみたいだ。エンジンがかかって車の時計で時間を確認するともう午後の4時をまわろうとしていた。
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