第四章

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『未だに解決してなく、さらに続いている連続事件。あれはもちろん、一つの組織の仕業なんや。 その組織の名前ば白い家"。本拠地は九州最北端の島゙対馬(つしま)"にある。だが、つい最近までは対馬にしが白い家"はなかった。   奴らば術(すべ)"の素質がある子供達をある施設に集め、そこで゙術(すべ)"を知るための教育や実験を重ねていた。しかし、その実験は生きるか死ぬかといった苛酷なもの。子供達は施設からは一歩も出れず、毎日死の恐怖で震えていた。   残念やがオレも連中がどういった目的で能力者を集めているかはわからんが、5年前から事件が起こり始めた事については知っている。   脱走者や…。   今から5年前、゙白い家"から1人の研究員の助手と4人の実験体が脱走した。しかも脱走した5人中4人ば術(すべ)"をすでに知りかけている状態で、1人についてば術(すべ)"を知っていた。 したがって連中は脱走者が゙白い家"に復讐することを恐れ、長崎県の本土にもう一づ白い家"をつくった。 離島だけだと位置の秘匿は容易だが人間の数に限界があるからな。 そしてさらなる能力者の補充に力を入れ、また、脱走者に似た人間を見つければ躊躇なくそれを殺した。       それが事件の始まりやったって訳や。でも、最近またそれが激しくなった。もしかしてまた脱走者が現れたんじゃねぇのか?』   佐々木の話しが終わるとほぼ同時に、車はいつものコンビニの前の駐車場に止まった。 佐々木は、今日は色々あったから自主練習はいいから早く寝ろと言ってオレを車から降ろした。       …やはり、オレ達の敵と事件には密接に関係があった。…となると敵に゙術(すべ)"を知っている人間は確実に存在する。   この時からオレの中で、自分にも゙術(すべ)"を知る必要性があるという意識が芽生え始めていた。
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