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グォオオオオウ!?
…………ッボト。
キメラのオレを掴んでいた方の腕が肘から落ちた。いや、落としたといった方が正しい。
ようやく足を地につけたオレは、まだしっかりとオレを掴んでいるキメラの指をひとつひとつ切り落とした。これでやっと普通に動ける…。
キメラはまだ自分に何が起きたかわからないみたいでパニック状態に陥っていた。混乱したキメラが闇雲に周囲を攻撃しはじめる。しかし今のオレには恐怖感はなかった。
今のオレは誰にも負ける気はしない。まるで超人的な力を手に入れたかのように体の中から何かがみなぎってきた。いや、オレは超人的な力を手に入れたのだ。
グォオオオオウ!!
キメラはオレに向かって殴りかかって来た。オレは両手で手刀をつくり迎撃体制に入る。
『大丈夫。苦しめたりはしない…。そもそもアンタ達キメラには罪はないんだ。』
オレに向け振りかぶってきた腕を、オレは先程つくった自分の手刀で素早く撫でた。
するとキメラの腕はその撫でた部分から綺麗に切れて地面に落ちる。
切り口はまるでカマボコを包丁で切ったかのように直線的である。
グォオオオオウ!?
オレはさらに混乱するキメラの背後に素早く回り込み、その首を切り落とした。
首と胴体に別れたキメラはしばらく小さく痙攣していたが、やがて動かなくなった。
キメラが動かなくなったのを確認したオレは佐々木に向かって言った。
『佐々木さん、オレも゙術(すべ)"を知ったよ。これでやっと同じ土俵に立てたんだ…。』
『………まずはココから出してくれよ。』
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