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『それで…早速だけどこれからの行動予定はどうなっているのか教えてくれないかな?』
それからすぐに幸一が佐々木に質問をした。先程とは別人のようにアクティブである。
しかし、佐々木は始めからこうなる事を予想していたのだろうか。すぐにこれからの行動についての話を始めた。この話はオレも知っておく必要があるので耳を傾けた。
『最新の敵情によると、敵ば白い家"を長崎県内に二ヶ所設置しているらしい。
ちなみにどちらの家に指揮官がいるのかは不明や。したがって指揮官がいる家を当てるのは完全に運によるもの。
オレ達の任務達成条件は、その二つの家に侵入し制圧すること。
まずはここから近いほうの゙白い家"に攻撃をしかける。場所については自衛隊大多武演習場、なお、出発は明日の0800や。
攻撃方法としては壁などに張り付け可能なタイプの爆弾を使用して、敵の拠点ごと破壊する。
時間については一日を計画している。敵の敷地内での長時間の滞在は非常に危険だからな。
注意事項としては、敵の゙術(すべ)"による攻撃や。゙術(すべ)"についての情報も入ってきていないために対処が不可能、よくても困難。したがって人間の敵に遭遇した場合は思い切った行動は避けたほうがいい。以上、質問事項はあるか?』
佐々木の説明が終わった後、オレはしばらく動くことができなかった。いつかは来ると思っていた敵への攻撃。しかし、余りにも急すぎて心の準備ができていない。
今まで一度も攻撃の話をしてないのだ…準備ができていなくてあたりまえである。
しかし、そんなオレを無視するかのように佐々木は『今日は明日のために睡眠を大目にとるように』と言ってソファに寝転がる。
幸一もベッドに横になり、やがてスースーと寝息をたてはじめた。
眠れる訳などない。
電気が消え二人が寝静まった部屋で、時計の秒針の音だけが不自然に大きくオレの耳に響いていた。
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