第六章

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 階段をおりると、そこには大きめの扉が一つ設置されていて、その扉の両端には門番ような人が゙気をつけ"をしていた。 その門番はライフルのような小銃と防弾ベストを装備していて、ベストには弾薬が殺意剥き出しでぶら下がっていた。   ……いかにもといった感じである。   幸にも門番はオレ達の存在に気付いて無いおかげで、オレ達はこれからの行動を考える余裕ができた。   当たり前ではあるが、ここは避けて通りたい所である。しかし他に入口のようなものは見当たらない。やはり行くしかないのか…。   『こいつら、゙術(すべ)"に対しての対処が全くなされてないな。まぁ対処しようがないんやけどな。』   佐々木が門番を見ながらヒソヒソと言った。この言い方からして佐々木はここを突破できる自信があるのだろう。どんな方法を使うのだろうか。  佐々木は掌をそれぞれ、門番に向かってのばした。   『……ッホイ♪』   すると門番が互いに凄いスピードで引かれ合い、そのままお互いの顔面をぶつけた。門番はビッタリとくっついた状態で、力無くその場に倒れ込んだ。   おそらく佐々木はそれぞれの門番の頭部を対象にとり、゙術(すべ)"を使って頭突きをさせたのだろう。実に上手い゙術(すべ)"の使い方である。   『2名以下の人間での警戒はオレには通用しねぇよ。幸一、裕司、奴らがのびている隙に中に侵入するぞ。』   オレ達は完全にのびきっている門番を縛り上げ、口にガムテープの処置を施し、扉に時限爆弾を設置した。後は中に侵入するだけである。   『…さて、ここからが本番だ。今から扉を開けて侵入するけど、佐々木と裕司君は絶対にオレより前に出ないようにしておいてくれよ。』   オレ達はポケットからスニッカーズを取り出し、自分の胸に当てて祈りを捧げた。       そして幸一は扉を開放した。
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