第六章

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ギィイイイイ…   ドアを開くとそこはただただ広いだけのボックスのような、殺風景な部屋があり、その奥にはさらにドアが見える。しかし人の姿は無かった。   『こりゃすげぇ…オレん家が庭ごとすっぽり入りそうなくらい広いな。』   佐々木はこの施設の規模に関心している様子である。警備を手薄にしていたとはいえ敵である自衛隊の敷地にこれほどまでの施設を作り上げるなんて人間技ではないらしい。   見た目は何もないただの部屋だが、逆にそれが怪しい。きっとどこかに罠が仕掛けてあるのだろう。 オレ達は引き続き幸一を先頭に置いてゆっくりと前進した。       カチッ………。   『?』 一歩踏み出した幸一の足元から変な音がした。なんだか嫌な予感がする…。   ゥゥゥウウウウウ!! …やっぱりな。     突然警報サイレンのようなものが作動し、部屋中に激しく響きわたる。   『な…なんなんだ?!いったい。』 幸一は不時の事態に対応できておらず、混乱している様子である。佐々木は呆れたように首を左右に振った。   しばらくサイレンは鳴り続いたが、すぐにそれは消えた。しかし、それと同時に部屋の左右の壁にいくつかの穴が開いた。 まるで゙天空の城ラピュタ"に登場するロボット兵でも出てきそうな雰囲気である。           グルルルルル…。       『キメラか!?』     …ここは期待を裏切らない場所なんだな。
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