第七章

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『あれほどの数のキメラをいとも簡単に倒してしまうとは…。君達を少々甘く見ていたようだ。』   穴の開いた床からは男が出てきた。その男は上下を黒いストライプ柄のスーツで上品に着こなしている。   男は下を向いたまま握りこぶしを前に突き出した。   ………?   男はそのまま無言で握りこぶしををゆっくりと緩める。   ……ポン。……ポン。   拳からは五百円玉ほどの大きさのボールがでてきて、重力に任ぜ自由落下"を始めた。   いったい何がしたいのだろう?オレの視線はそのボールに集中した。   ボールは鮮やかな緑色をしていて、それはやがて床に衝突をして男の手に戻った。男は少しも動いていない。   (何か違和感を感じる…一体何なんだ?)   男はその動作を何度か繰り返していたが、結局最後までその違和感の正体は解からなかった。   男はバウンドし続けるボールをキャッチし、声高々に叫んだ。   『オレの名ば織田(おだ)"!!自分を殺す男の名前くらいは覚えておけ…この空間からは逃げられん!!』   男は今まで下げていた顔を勢いよく持ち上げた。         ……………。         目デカ!!
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