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『あれほどの数のキメラをいとも簡単に倒してしまうとは…。君達を少々甘く見ていたようだ。』
穴の開いた床からは男が出てきた。その男は上下を黒いストライプ柄のスーツで上品に着こなしている。
男は下を向いたまま握りこぶしを前に突き出した。
………?
男はそのまま無言で握りこぶしををゆっくりと緩める。
……ポン。……ポン。
拳からは五百円玉ほどの大きさのボールがでてきて、重力に任ぜ自由落下"を始めた。
いったい何がしたいのだろう?オレの視線はそのボールに集中した。
ボールは鮮やかな緑色をしていて、それはやがて床に衝突をして男の手に戻った。男は少しも動いていない。
(何か違和感を感じる…一体何なんだ?)
男はその動作を何度か繰り返していたが、結局最後までその違和感の正体は解からなかった。
男はバウンドし続けるボールをキャッチし、声高々に叫んだ。
『オレの名ば織田(おだ)"!!自分を殺す男の名前くらいは覚えておけ…この空間からは逃げられん!!』
男は今まで下げていた顔を勢いよく持ち上げた。
……………。
目デカ!!
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