第七章

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『くくくく……。』   織田は肩を小刻みに揺らしながら笑っている。弱点を知られたのにもかかわらず…一体どういうつもりだろうか?   『くくく…。裕司君、君もどうやらただの佐々木の金魚のフンではないよですね。 大正解、その通りですよ…オレの゙術(すべ)"は物体が衝突運動をおこなって初めて効果を発揮する。この短い時間で君がそこに着眼をおいたのは実に素晴らしい。でも一つだけ大事な事に気がついてないんですよ。 それはですね……』   一つ足りない?どういうことだろうか?それともただ強がっているだけだろうか?佐々木がオレの前に出て小馬鹿にしたように織田に言った。   『お前、何を強がっとるとや?お前の投げるスーパーボールはバウンドせずに裕司の手に向かう。オレの゙術(すべ)"でな。そうなればお前が勝てる確率は皆無や!!』   すると織田は下を向いておもむろにポケットに両手を突っ込んんだ。   『オレが勝つ可能性が皆無?いや違う、逆ですよ。今からする質問でその理由がわかるだろう…。』   ……様子がおかしい。ハッタリにしては余裕がありすぎる。本当にこの絶対的な状況を打開できる方法があるのかもしれない。もしかして今手を入れているポケットの中に何か特別な物が入っているのか?まぁどちらにしてもポケットの中身を見てみないとわからない。織田はポケットから両手を抜いた。   『今オレの両手には右手左手に四つずつのボールが入っている。同時に全てのボールを投げても一つもバウンドさせずに裕司君の手に収まるのかな?』   ………んなわけねぇだろ。    そして織田は両手を大きく振りかぶる。     『……踊れ』
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