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織田の放ったスーパーボールは縦横無尽に箱の中を飛び回り、あらゆる方向からオレ達を襲う。
『このままじゃあマズイ!!』
ガスガスガス!!
『…ぐっ……あ……!!』
スーパーボールは一つを除いて全てオレと佐々木に命中した。そのひとつひとつが鉛玉のように重く体に食い込む…。これが本当にただのスーパーボールなのだろうか?
佐々木は痛みに顔を歪めながら口を開いた。
『オレの゙術(すべ)"の細部を知っていたとは誤算やったな…゙術(すべ)"を知る人間を同時に二人も相手にするなんて馬鹿な奴やと思ったが、絶対の自信があったからか…
殉職したら少佐か、悪くねぇな…。』
縁起でもないこと言うなよ…。
織田は膝をついて苦悶の表情を浮かべているオレ達を見下す。
『佐々木の゙術(すべ)"は対象の二つの物体間の万有引力を操作する…だったかな?一つ目の対象は必然的に裕司君の手の平だ。したがってスーパーボールは一つしかコントロール出来ないはずですよね?』
どうすればいい…佐々木の゙術(すべ)"は通用しない。どうする?幸一がいれば…幸一さえいれば勝てる筈なのに。
織田は頭を抱えてゲラゲラと笑い狂った。
『はははははっ、素晴らしい…素晴らしいぞ!!このチカラ!!まるで無限の炎のようだ。遊びの時間はもう終わりにしよう…君達はよく頑張った。多くの光りに魅せられながら……』
何かある筈だ…まだ何かが。決定打は幸一、幸一をどうにかしてここに…でもどうやってこの゙鋼鉄製"の箱の中に?
…………?
………鋼鉄製?
『死ね』
織田はポケットの中に手をやった。
そうか!
『幸一さぁああああん!!』
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