第七章

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 しかし、ヒトミの言ゔローレンツ収縮"とはいったい何なのだろうか?姿が消えたから光の屈折の類いだろうか?   『マズイな。゙光の能力者"が敵にいるとの情報は無かったのに…。』   幸一は呆れたような困ったような表情で言った。゙ローレンツ収縮"の事を知っているみたいだ。   『幸一さん、゙ローレンツ収縮"って何なの?それに、゙光の能力者"って…。』   『゙ローレンツ収縮"っていうのはね… 物体の速度が上がるとその物体は原子単位で形状が縦に縮んでいく現象の事をいうんだよ。そしてある速度に到達した瞬間その物体は限界まで縮み、゙密度が無限大"になる。』   『ある速度?』   『その速度は約300000km/s。つまり光の速度に達した瞬間にその物体の密度は無限大になるって事だよ。たぶんヒトミはその到達速度を光の速度ではなく自分の好きな速度に書き換える事ができるんだろう。 こういっだ光"に関係する゙術(すべ)"を知る人間の事を軍でば光の能力者"と呼ぶんだ。 一つ言える事は、゙光の能力者"はオレ達の知る゙術(すべ)"に比べはるかに強力だという事だよ。気をつけて!』   密度が無限大?密度が無限大になるのがそんなに危険なことなのだろうか?むしろオレは密度が無限大になるとどうなるのかがよく解らなかった。 オレがいまいち理解に苦しんでいると、佐々木が立ち上がってオレにわかりやすいようにアドバイスをくれた。   『ごはッ!!あの女、思いきり殴りやがって…。裕司よく聞けよ、密度というのば体積分の質量"で表される。ちなみに体積と質量で目で見てわかるのはどっちや?』   『体積だけど…。』   『ヒトミは姿が消えたり見えたりしたよな。これは目で見てわかる変化だから質量ではなく体積が変化したと考えられる。質量を変えずに密度を無限大にするには体積をどうすればいい?』   密度において体積は分母にあたる。分母をいじって値を無限大にするには……。     ……そうか!!     『体積が0(ゼロ)になるのか!!』     佐々木はウインクをして親指をビシッと立てて言った。   『正解!!つまり、体積がないから何をしてもダメージを与える事は皆無ってワケやな!!』     …どうやって倒すんだ?
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