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『ここの指揮官はヒトミだよ。最終手段のヒトミが出てきたんだ？ここにはもうﾞ術(すべ)"を知る人間はいない。
裕司君の言っているヤツはﾞ術(すべ)"を知っているんだろう？
だったら安心していいよ。』
そして幸一は佐々木に続いて最後の部屋に入って行った。
オレも急いで二人の後を追う。
『な…何だ？この部屋は…』
最後の部屋に入るとそこにはいくつものモニターが設置されてあり、その一つ一つが違う映像を流していた。いかにも…といった感じである。
敵を全員縛り上げた佐々木と幸一はそのモニターをまじまじと見つめ始めた。
すると、佐々木も幸一も一つのモニターの映像にくぎづけになる。
そして何やら意味深に頷いた。
『ははぁ…そういう事か。だから今になって事件が再発したのか。』
オレ以外の２人は何か納得しているようだが、オレは２人が何の話しをしているのかすらわからない。
『２人とも、さっきから何を話してるの？オレにはサッパリわかんないよ。』
佐々木と幸一は互いに顔を合わせ難しそうな表情を浮かべる。まぁ、その理由は幸一の説明ですぐに明らかになったのだが。
『あのモニターは全部で３ヶ所ある敵の拠点の情報を様々な角度から映し出しているんだよ。その中の１つに重要な情報が載っていたんだ。
５年前に対馬市にある敵の本拠地、ﾞ白い家"を５人が脱獄をした事がきっかけとなった誘拐事件。その話しはすでに佐々木から聞いているよね？
今回再発している事件…理由はこれもほとんど５年前と同じで、新たに脱獄者が１名、未遂で現場で射殺されたのが１名現れたからなんだ。でも、今回はそれだけではなかった…
それは今回の事件がﾞ誘拐・殺人"事件だという事。人間兵器を補充するのにどうして殺人をする必要があるのか……。
実は脱獄者達の行動で連中はそうせざるを得なくなってしまっていたんだよ。
それは……
新たに１人が脱獄をした事をきっかけに、脱獄者達がとうとう行動に出たんだよ。』
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