第三章≡夢より確かな現実≡

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俺と老人は中に入り、工場は見ないでやたら長い廊下を進み、ひとつの部屋に入った。 その部屋はさほど広くはない(といってもこの屋敷の中では小さいほうだが俺の住んでる部屋の三倍はゆうにある)がレンガで作られた暖炉があり、そこではなにやらスープらしき物が煮込んであった。 「さぁ、ここで体を暖めながら話しましょう」 老人はそう言うと暖炉の前にある椅子に腰かけた。 俺も外の猛吹雪で心底冷えきった体を暖めるため暖炉へと向かった。 暖炉から発せられる温かさと薪が燃える時に聞こえてくるパチパチという音は冷えきった俺の体だけでなく心も暖めた。
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