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部室のドアが開いた。
「いたのか、長門」
わたしは黙って頷く。
「長門」
「なに」
「今日も…いいか?」
「構わない」
今までわたしは人間の感情も死の概念も理解できなかった。
でも、わかった。
朝倉涼子が彼を襲ったあの日、わたしは彼を死なせてはいけないと思った。
死なせたくないと思った。
「こんにちは~」
「あ、朝比奈さん」
「あっ…すぐお茶煎れるので少し出ててください」
「はい」
彼は出て行った。
「長門さん…」
朝比奈みくるは着替えながら話しはじめた。
「最近…涼宮さんがいつもイライラしてるようで」
涼宮ハルヒがいなくても朝比奈みくるはメイド服に着替えるようになった。
「古泉くんが言うには毎晩閉鎖空間が…」
わかってる。
「あっ…はい…すみません。急にどうしたんでしょうね…涼宮さん」
「…あっ、きょ、キョンくーん、入っていいですよー」
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