this is a sweet sweet love song in X'mas night

3/13
前へ
/13ページ
次へ
「――ってことで彼女を作って裏切り者となったはずのコウタさんは恥知らずにも今年もクリ死ね会に参加、と」 「うるせぇ、死ね。前世からやり直して来い」 やる事無くて暇なので友人主催の『クリスマス死ね死ね会』、略してクリ死ね会に参加した。伝統ある行事で俺が高校生の頃――6年前から毎年開催されている。 内容は脱衣麻雀やら、一発芸大会やら、ケーキに全員分の歳の合計分だけろうそくブッ刺して手掴みで食うやら、多岐に渡る。 今までずっと参加してた俺が言うのも何だが、馬鹿以外のなにものでもない。 ちなみに今年は闇鍋。コタツの上にイイ感じに変色した鍋がぐつぐつ煮立っている。 「おお、ドタキャンされて心が荒んでるねぇ……そんなに楽しみにしてたのか?」 「ああそうさ、前夜なんかわくわくして眠れなかったよ。でもすっぽかされたさ。さぁ笑え。こんな滑稽な俺を嘲笑うが良いさ」 「アッハッハッハ」 「笑うなボケっ!!」 「コウタ……言ってる事が矛盾してるよ……」 容赦なく俺を弄ってくるユウゴ、変に暴走してる俺、そんな俺等にフォローとツッコミを入れるケイ。三者三様のボケとツッコミを繰り返しつつ、時間を無駄に過ごしていく。 「天罰だな。俺ら二人を差し置いて彼女なんか作るからだ」 「あっ、ケイ! 尻尾を剥ぎ取ってないで応戦しろっての! って――アッー! ぶちかましはらめぇぇっ!!」 「まるっきり無視ですかい。っていうかお前等ゲームしてねぇで鍋煮込むの手伝え」 「こんなのちゃんと料理する必要ねえよ。何だこの汁の色……極彩色じゃねぇか。魔王降臨の儀式でもやる気か?」 「っていうか中身見えなくて煮えてるかどうか分かんないしね。そもそも煮るのって一人で十分じゃん」 「チッ……友達甲斐の無い奴等め。テメェらなんか部屋の片隅で哀を叫んでろ」 「意味が分からないよその捨て台詞」 俺、こんな所で何やってんだろう? そんな疑問を抱きつつも、不毛すぎる会話がダラダラと繰り広げられていく。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加