this is a sweet sweet love song in X'mas night

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「それにしてもヨーコさん……だっけ? どうして仕事が入っちゃったの?」 ケイが人の傷を抉るようなことを言ってくる。 「彼女、SEなんだよ。製作してたプログラムに、納期直前の今になってバグが見つかったらしい。今日はそれの修正に追われて会えないってさ」 「男より仕事を取ったか……甲斐性ないなぁ、お前」 「無茶言うな、プロジェクトのリーダーだぜ? サボれる訳無ぇじゃん。でも……嗚呼、畜生、理解してても凹む……!」 「ご愁傷様だね、コウタ。さぁさぁ、闇鍋でも食って元気出しなよ」 「ああ、すまんな――遠慮なくいただくぜ…………とでも言うと思ったかこの野郎! さり気に食わせようとしてんじゃねぇよ!! っていうか何だよコレ!? デケェよグロイよ!!」 腹についた幾つもの足のようなもの、そして固い感触。最初エビかと思ったのだが、俺の知るエビの形状とは異なっていた。 エビに貝はついてねぇし、触手多すぎるし、そもそも食えるかどうかわかんねえし! 「ああ、これはオウムガイだよ。9800円で買ってきた」 良い笑顔でケイが解説を始める。もはやどこから突っ込んでいいのか分からない。 「あぁ……ちくしょう……」 全力で脱力し、こたつに突っ伏した。 しばらく閉口する。 数十秒経って。 言葉を発した。 「やっぱ、帰る」 「は? まだ6時だぜ? っつうか帰って何すんのよお前」 案の定、ユウゴに引き止められる。 が、聞く耳持たずで頑固に帰ろうとする俺。 「一人酒でもしてる」 「酒は買ってきてあるっつうの!」 「まぁまぁ、コウタは気を紛らわせる為に男だけのクリスマスパーティーに参加して騒ごうと思ったのに、余計むなしくなっちゃったんだよ、許してやりなよ」 「もうちっとオブラートに包んで言ってくれないかなケイ……」 こういう時の以心伝心は困る。 余計な軋轢を生まないのは良いのだが、妙に気恥ずかしい。 ユウゴも分かってくれたようで、今度は呆れた口調で言ってきた。 「あいあいあいあい、彼女持ちはクリスマスに男とは居れませんってか?」 「悪いな……スマン」 「気にしないで、ユウゴはついにクリ死ね会中止になっちゃったのが寂しくなってるだけだから」 「さっきからケイさん、余計な言葉が多いんですけど!」
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