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それから私達は空を飛び
ここまでたどり着いた
「―‥ここは…………?」
ギアは少しクスッと笑うと、私の方に向き直って言った。
「一般的に"永遠の楽園"―と呼ばれてるけど、正式な名前は"フィーネ・ルワン"っていうんだ」
「へぇ…………」
フィーネ・ルワン………か。
空に浮かぶ、小さな島。
その島はよく見ると、沢山の湖があり、どこまでも続く平野のずっと向こうには、真っ白な城壁に囲まれた、赤い屋根の家が並ぶ街があった。
街には、海や湖に続く、小川や、平野に続く小道が。
そして街の中心部には、周りの赤い屋根の家と対極的な、真っ黒な壁に、深い青緑の大きな城がそびえ立っている。
どこかの、おとぎ話のような街。
私は、ギアに言われるがまま、街のすぐ近くの平野に降り立った。
「素敵な街ね。」
「この島には、街はこの街たった一つなんだ。…アリネアっていうんだよ」
ギアは私に手招きすると、アリネアの城壁の門をくぐった。
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