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夜、最近になってから静夜宛の電話がよく来るようになった。それも女性から。
「せーいやー。また電話よー」
「今行くー」
「……女の人みたいだけど?」
「あっ、クラスの子だよ。きっと」
そういって母の手から受話器を受け取り、二階の自室へと足を運んだ。
「はい。代わりました」
「こんばんわぁ。静夜クン」
電話の相手、それはあの時遇った占い師。なぜかいつも電話をしてくる。まるで今の状態を確かめているかのように。
「ねぇ静夜クン。今日はどうだった?」
「……最高だよ。あんたに『願い』を言っただけで、今までのことすべてが嘘みたいだ」
「そう、それはよかったわ。でもぉ『願い』はあと一つだから、忘れないでね」
「ああ……わかってるさ」
お互いに電話を切ると、彼は受話器を置くためにリビングに行き、両親に向かって一言「おやすみ」と言ってから眠りについた。
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