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彼女の言っていた『願い』をあと一つ残して、彼の幸せな生活は数ヶ月続いた。
幸せと言うものはいつか終わりがやってくる。
それは彼とて例外ではない。
ある日の休日、静夜は買い物から帰ってきて、真っ直ぐ自室へと向かった。
妹の小夜が部屋にいて足元には大切にしていた置物が壊れているのが目に入った。
彼はそれを見るなり妹の頬を叩いた。
泣き叫ぶ小夜の声に気づいて、母親が走ってきた。
「静夜! 何してるの!」
「ちがっ、小夜が勝手に俺の部屋で……」
「だからって叩くことはないでしょう! 小夜はまだ小さいんだから」
「でも……」
「もう子供じゃないんだから少しぐらい我慢なさい!」
「―っ!」
母は自分の言葉を何も聞いてくれないと思ったのか、怒りに身を任せて家を飛び出した。
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