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「ミコト君いなくなってから二年だね」
ふと呟かれ、シュンを睨み付ける。
その名前は俺を苛立たせる。
なのに何故かその名前を求める。
「黙れ」
「………新入生にね、カワカミミコトって子がいるんだって」
シュンはヘラヘラ笑った顔を引き締め俺をしっかり見据えて言葉を続けた。
「…いい加減自分と向き合えよ、レイ」
聞いた瞬間に走り出した。
俺の中の時間がゆっくり進み出す。
驚く新入生達にぶつかりながらも確かに見つけた。
何も変わらない色鮮やかな存在を。
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