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「ミコト…誕生日は?好きな物は?あと……って、俺は何も知らねぇな」
自嘲気味に笑って、俯いたままのミコトの髪にそっと触れた。
ミコトは途切れ途切れで言葉を紡ぐ。
「僕の…たんじょ、びは……8月5日で、好き…なも、は………レイさんです」
「ミコト」
「一緒にいても良いですか?」
しがみついてくるミコトに愛しさが込み上げてくる。
二年前にも同じ事を言われ、同じ気持ちが生まれたはずなのに…
返せなかった自分。
素直に自分と向き合えずにたくさん傷付けた。
だからこれからは俺の全てで愛してやるよ。
薄汚い世界も腐った世界も全てがミコト色に染まった。
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