第一章 始まりの村

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ほどなくしてアイルは木造の家が建ち並ぶ中の一軒の家に着いた。そう屋根には見事に穴が開いた状態の自分の家の前に…。 「は…ははは…」 アイルは顔の筋肉を引きつらせながら笑う。苦笑いというものだ。そしてアイルはそんな顔のまま家の中に入っていく。 家の中は滅茶苦茶だった。ざっと見た所、流れ星が落ちた衝撃でまるで地震が起こった後のようにありとあらゆる物が散乱してしまっている居間。それと同様に台所。 家の惨状を見る度アイルの表情が変化していく。 アイルの家は両親が他界してしまってからはアイル一人でこの木造二階建ての家に住んでいる。 アイルにとっては自分の思い出が詰まった家がボロボロになったのは相当に悲しいである。ゆえに今アイルの顔は苦笑いからボロボロの家の様にボロボロの泣き顔に変わってきている。
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