それは…

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「…っあの…」 「え?…ってぇ!!」 ザックリ! かなり集中していたところで、声をかけられ思わず指を切ってしまった。 やっちゃった!! 慌てて救急箱を探して、カットバンと消毒液を取り出す。 「見せて下さい!…よかった。傷はそんなでもないですね」 「す、すまん」 幸いにも指先を少し切っただけですんだ。 「無理をするもんじゃないな。普段料理などほとんどしないからな…」 「まぁ…ここを見ればなんとなくわかります」 台所を覗いてそう言った私を、雅巳は気まずそうにみた。 「…あの、よければ私ご飯作りますよ?」 「え?今?」 「まぁ、今もですけど…これからしばらくは厄介になりますし。お礼の意味も兼ねて、普段のご飯も。」
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