1283人が本棚に入れています
本棚に追加
…正直ちょっと怖いなって感じてたんだ。
モモカの鬼気迫る感じが。
出せばいいセックスを強要されるのもつらかった。
それを許していた僕も甘かったのかもしれない。
でも、本気でモモカが子供を望んでいるから…何も言えなかった。
どこかの政治家が「女は生む機械」と言っていたけど。
僕は完全に「生殖マシーン」だった。
不妊検査では狭い個室に押し込められ、看護師からエロ本と採取ケースを手渡される。
…なんか屈辱だった。
モモカはもっと大変なんだから…って我慢したけど。
ちょっとした愚痴さえも…モモカは聞いてはくれなくなっていたから…
「あたしはもっとつらい」
うん、確かにそうだと思う。
でも僕は…大変だね、の一言がほしかっただけなんだ。
いくら子作りの為とは言え、セックスは愛情をこめてするものだと思うから。
モモカをちゃんと愛したかったんだ。
もう僕はモモカを愛してあげる事ができないカラダになった。
モモカの望む子供も作ってはあげられない。
愛してる。
だから僕からの最後のプレゼントは…
別れてあげることだよ。
最初のコメントを投稿しよう!