一 日常と非日常

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 生徒達の顔から血の気が一気に引いたのは言うまでもない。 「皆さん。彼らのことは、後で私が懇切丁寧きっちりに話して差し上げますから、さっさと席に戻りなさいな? さもなくば・・・・・・お分かりですよねぇ?」  死神の微笑みで話す安徳に恐怖した彼らはものの二秒で各々の席についた。  三年も共にすごしていれば、佐々木安徳が全体どういった性格をした男なのかおのずと身をもって知ることができた。  まさに、裏将軍の名に相応しい。 (か、変わってねぇ)  関平の脳裏に、あの地獄の日々が瞬時に思い出されたのは当然のことだった。  その後、何事もなくSHLは終了し、放課となった。劉封と瑞穂らは安徳達と一緒に帰路につくことになった。 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「えっ? 何? 何があったの?」  現在、彼らは前方でいちゃついているカップルを見て呆然としていた。 「た、達子さん。随分変わりしましたね・・・・・・・・・」  コクコク(呉禁の頷き) 「な、何があったの・・・・・・・・・?」  口々に達子の変貌ぶりに疑問を投げ掛けるも、安徳や泰平も当然分からないのである。 「さあ? むしろ僕らの方が知りたいよ」 としか言えなかった。  そんなことは露知らず、達子は朝のように顔をニヘラ~と崩してベッタリとしていた。 「そういえば、貴方たちはこれからどうするのですか?」 「取り敢えず高校卒業するまでは君達の家に厄介になる予定なんだけど、ダメかな? 一応君達の親には許可をもらってるけど・・・・・・・・・」 「大丈夫ですよ。我々の家は無駄にでかくて広いですからね。大歓迎ですよ」 「おぉ、お前ら、ここにいたか」  その時、上の方から声が聞こえた。そこには、やや茶色の髪の男がいて、よっと彼らの前に降りてきた。 「・・・・・・なぁ破龍? 流石に上からはまずくね?」 「ははは。気にすんなよ。誰も見ちゃいねぇんだし」  龍二の父龍造の宿龍、破龍は笑い飛ばしながら彼らに龍造からの言伝を伝えた。 「今日の七時から我が家の道場で劉封らの歓迎会をやるそうだから、来てくれとのことだ。無論、徳篤達も来る」
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