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「確かに、変わりましたね」
異世界での経験は、彼らを少し大人に成長させたことは確かに実感していた。
「だけど・・・・・・・・・」
「・・・・・・ですよねぇ」
そう言って、二人は前方でいちゃついている学生カップルを複雑な表情で見ていた。
カップルは、黒のツンツン髪に、右眼に刀の鍔で作った眼帯をしている男と栗色のロングの女で、彼女はかなり男に密着していた。彼女の柔らかい二つの膨らみが彼の腕に押し付けられていた。
「時に安徳君? 人間は何があったらあんな風に人が変わるんだい?」
「さぁ? 私に言われてもねぇ」
密着している女もとい神戸達子は、二人の知る限りでは、男勝りで勝気な性格で同性からモテるタイプだったはずである。
それが異世界から帰ってからというもの、彼女の性格は180゜変わってしまい、物凄く女の子らしくなり、今まで穿くことがなかったスカートを多用するようになり、あっちで出来た(?)恋人進藤龍二と頻繁にデートもした。それもかなりの甘えようで、今も顔をニヘラ~と緩ませていた。
彼女の豹変振りに、龍二は正直ほとほと参っていていた。
「な、なあ達子。ちょ~っと離れてくれないか? ちょい恥ずかしい」
龍二は数分前にこう言ってみた。
「ダメなのぉ?」
「うぐ・・・・・・・・・」
しかし、眼に涙を浮かべ上目遣いされるとたじろいでしまい
「あっ・・・・・・いや、ダメじゃ・・・・・・ない・・・・・・・・・」
結局負けてしまうのだった。
「こりゃー学校でも一波乱ありそうだ」
異世界に行って、晴れて恋人同士となったわけだが、龍二は達子に頭が上がらない──と言うか尻にしかれているのは、それはそれで面白かったが同時に同情した。
(まあ一応、私は私の仕事をしますかね)
安徳は右手に持った愛刀大般若長光の鯉口を切って不気味に笑んだ。
(あー感じる感じる。野郎共の憎しみと殺気のこもった視線)
「♪♪♪♪♪」
イタい。龍二には、クラスの男子共の憎悪の視線が物凄くイタかった。
「まぁ、こうなるんじゃないかなぁとは思ったけどね」
「タッちゃん・・・・・・一体何があったのよぉ?」
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