3人が本棚に入れています
本棚に追加
起きるとすでに昼だった。ヤバい、2日じゃなくて1日半になってしまった。
とりあえず服を着替える。朝ご飯を軽く済ませて、街へと繰り出した。
まさにクリスマスムードの通りを歩く。自ずとどうすればいいか分かりそうだ。
どの店もクリスマスにあやかってセールやらキャンペーンやらを行っている。斎場までもが割引セールだ。
そんな中、色んなお店でプレゼントを物色したが、ピンと来るのが見つからない。
昨日考えた通りだ。お金もセンスもない僕が、素敵なプレゼントを見つけられる訳がない。
それどころか、僕はだんだんこの街の雰囲気に悪酔いしてきていた。
クリスマスソングを流し、オーナメントを飾り、サンタの格好をした店員達が客引きをする。どの店も同じ光景。コピーのような街並み。
僕は疲れてしまい、賑やかな通りから抜け出して、一本隣の道を歩く。
結局プレゼントは見つかっていない。参ったな。早くプレゼントを決めて、デートプランを練らなきゃいけないのに。
やるせない気持ちになっていた。クリスマスはロマンチックなものだと思っていたのに、こうやってクリスマスらしく過ごそうと頑張れば、至極商業的なイベントであることに気がついてしまう。
指の先が冷たくなってきた。
何か温かいものが飲みたいな、ココアか、しるこドリンクがいい。
僕は自動販売機を探してさ迷った。が、なかなか見当たらない。
勝手知ったる我が街なのに、来たことない場所まで出てきてしまった。
自販機さえ見つかればいいのに。針のような風に身をすくめながら歩き続けると、僕はある建物にたどり着いた。
その建物が何かに気付いた瞬間、僕の頭のフィラメントが、強烈な光を放った。
最初のコメントを投稿しよう!