第二章

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ロイドはそのもどかしさを振り払うように、ベッドから上半身を起き上がらせた。 それから両腕を上げながら、ぐっ、と背筋を伸ばすように伸びをした。 それからロイドは、隣のベッドのコレットに視線をずらした。 コレットは横向で、こちらに顔を向けてすやすやと寝ていた。 寝顔が何とも言えず可愛らしい……いや、美しいと言った方が妥当だろうか。 コレットはここ二年で随分成長した。 背が少し伸び、顔も少し面長になった。 昨夜は危うく転びそうになったが、ドジをすることも昔と比べると、ずっと少なくなった。 あの天然さも少し抜けたようだ。 雰囲気も少女の可愛らしいものから、リフィル先生とまではいかないが、大人の女性に近いものを感じさせた。 そんな反面、優しい性格は全く変わらず昔のまま。 街でも困った顔をしている人を見かけると、すぐに声をかける。 格好は特別な時に少しお洒落をするくらいで、普段は昔と変わらずの白地に青い縁取りの神衣。 つまり神子の服だ。 髪型も変わらず、ロングのプラチナブロンド。 旅の途中に、ショートカットにしようか迷っていたことがあった。 しかし、ロイドの要望で長いままにしてもらっていた。 そんなことを思いながらコレットに目線を送っていたロイドだったが、ベッドから降りるといつもの赤革の服に着替え始めた。 それから、対の木刀を腰に挿すと寝室を後にした。
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