第二章

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朝の日が窓から差し始めた頃。 コレットは小鳥のさえずりで目を覚ました。 体を起こすと両腕を上げ、すっ、と伸びをした。 ベッドから降りると窓を開けた。 外の冷気がすうっと、部屋の中に入って来たが、朝の火照った体には気持ちよく感じられた。 昨夜とは打って変わった、青空に目線を移すと、小鳥のつがいがじゃれ合いながら、睦まじく飛んでいた。 コレットは自然と笑みがこぼれた。 すると、その二羽がコレットに向かって飛んできて、窓の桟にとまった。 コレットは目を丸くしながら、小鳥に顔を少し近づけた。 (かわいいなぁ……) その二羽は首をいろいろな角度に傾けながらぴぴっ、ぴぴぴ、とコレットに挨拶をするかのように鳴いた。 コレットも“ぴぴっ”と鳴きまねをして挨拶をした。 二羽はそれを聞くと、また、じゃれ合いながら空に舞い上がって行った。 それからコレットは、ロイドの寝ているベッドに駆け寄った。 「ロイド!今ね、小鳥さん達が来たんだよ!」 しかし、そこにロイドの姿は無かった。 「あれ?いないなぁ……あ、また朝のお稽古してるのかな?」 そう呟くと、コレットはいつもの神衣に着替えて、朝食の準備を始めた。 ロイドは毎朝剣の稽古をするので、朝食はいつもコレットが作るのだ。 お湯を沸かしながら卵の目玉焼きとベーコンを一緒に焼く。 それからパンをオーブンで軽く焼き、野菜サラダを添える。 そして最後にコーヒーを落として出来上がり。 これがいつものメニューだ。 「よしっ、出来た♪ロイドを呼びに行かなくちゃ。多分……中庭かな?」 コレットは急ぎ足で中庭に向かった。
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