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(散沙雨!)
ロイドは丸太に向かい無数の突きを繰り出す。
(秋沙雨─)
そこから秘技へと繋げ、奥義・騷雨双破斬を決める。
虎牙破斬同様、右腕で斬り上げ左腕で斬り下げた。
(今だ!)
ロイドは先に着地した右足に体重を掛け、大きくバックステップをとった。
丸太との距離凡そ3メートル。
「よし……これで大丈夫だ」
ロイドは木刀を腰に収め、ふっと息をはいた。
今のロイドに、今朝の悩みは微塵も無かった。
(俺は、何で悩んでたんだろ……)
ロイドは自分に問いかけたが、思い出せなかった。
(ま、いいか)
ロイドは自分の出した答えに苦笑した。
「ぴぴぴっ、ぴぴっ」
急に小鳥の鳴き声がした。
聴こえた方に目線を移すと、小鳥が二羽、じゃれ合いながら丸太の周りを飛び回っていた。
(おっ、可愛らしいらしいなぁ……)
二羽は丸太に止まると、ロイドを見て首を傾けながらぴぴぴっと鳴いた。
ロイドは二羽に見入っていた。
後ろから誰かが迫っていることに気付かずに……
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