第二章

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「ばぁ!」 ロイドの背後から誰かが背中をどんっ、と押した。 「うわぁ!」 ロイドは体制を崩し前に倒れそうになったが、上手くバランスをとり、なんとかこらえた。 「えヘヘ。気づかなかったでしょ?」 その声にロイドが振り向くと、コレットが気持ちかがみになって、首を少し傾けていた。 「ああ。気づかなかったよ」 ロイドは苦笑いしなから答えた。 「ねぇ、今、何見てたの?私に本当に気づいてなかったみたいだけど……?」 コレットはロイドに近づきながら尋ねた。 「小鳥を見てたんだ。あそこに小鳥が二羽じゃれてるだろ?ほらっ、丸太のところの─」 ロイドが指を指したとき─ 「あっ!あの小鳥さんたち、今朝、私も見たよ!」 コレットは声を張り上げた。 「えっ、そうなのか?」 「うん!起きて窓を開けたら二羽で空を飛んでたの。見ていたら私のすぐそばの桟に止まったの!それでね、私の方を見てぴぴって鳴いたんだよ!スッゴく可愛かったんだよ!」 夢中になって話すコレットの横顔が堪らなく可愛かった。 ロイドはコレットの方が断然可愛いと思った。 まぁ、小鳥と比べるのも可笑しなことだが。 ロイドはそれを口に出そうとした。 (いや、朝から言う台詞じゃないな) ロイドは思い返すと、コレットに微笑んで見せた。 「そうか。よかったな、コレット」 「うんっ!」 コレットも微笑み返しながら言った。
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