341人が本棚に入れています
本棚に追加
「う゛~寒いねぇ」
コレットは両腕をさすりながら言った。
「本当に寒みーな。でももうすぐフラノールにつくから、それまでは……ほらっ、これ使っていいから」
そう言いながら、ロイドはいつもしている、ダイクお手製の赤い手袋をコレットに差し出した。
「えっ、でも悪いよ。ロイドだって寒いでしょう?」
「俺は大丈夫だから。これ、旅に出るときに親父が作ってくれたんだ。すごく丈夫で温かいんだぜ?」
「そうなの?じゃあ、少し借りようかな。ありがとう、ロイド」
コレットは微笑みながそれを手にはめた。
「あ、本当だ。温かい。しかも意外と指動かしやすいんだね。流石ダイクさんだね」
「ああ。俺の自慢の親父だからな」
ロイドは誇らしげに言った。
「あ、ロイド!見えてきたよ!」
コレットはフラノールの町を指差しながら言った。
「これでやっと温まれるね」
コレットは安堵の表情を浮かべながら言った。
最初のコメントを投稿しよう!