夢の水

料金表を見上げ

初乗りの切符を買い改札を通り、地下へと続く階段を降りる。
ホームを横目に更に降りると、階段の蛍光灯が切れかけていてチカチカしている。更に階段はホームが有った階を境に細くなった。
人ひとりがようやく通れるほどの細さ。暗く狭い。

しかも俺以外誰も居ない。

おかしい。これほど興味のそそられる井戸に誰一人として行こうとしないのだ。

まるでこの階段が俺にしか見えないかの様に。