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それよりも、柚綺様の欲しい黒曜石って何だろう?
「その黒曜石ってどこにあるかご存じですか?」
〈……知ってるわけ無いよな。〉
「………知らなぁ~い。琉斗、調べてよぉ~。」
〈………やっぱり…ね。
どれどれ………。〉
僕は特集のページをパラパラと読んでみた。
〈う~んっと………。
黒曜石とは日本の九州地方で多く採れる鉱物である。
古代より採取された記録が残っており古代九州の主な資源となっていた。
2000年代を最後に採取された記録はなく、大変な希少価値がある。
…………って、もう採れないの?〉
「……あの柚綺様?もうこれ採れないみたいですよ?」
僕は恐る恐る聞いてみた。
〈……諦めてくれるとは思わないけどさ。〉
「うんっ!だから過去に採りに行こっ!」
〈………やっぱり…ね。
また過去に行くのか…。
って、一緒に来るつもりかよ?〉
「柚綺様もご一緒に?」
「うんっ!楽しそうじゃん!」
柚綺様はニコッと満面の笑みを浮かべている。
〈…可愛いなぁ……。
………って、いかん…。
これだ。この笑顔にいつも騙されるんだよなぁ……〉
「……わかりました。決して無茶をしないで下さいね。」
「ありがとうぉ~!だから琉斗、大好きぃ~。」
〈……可愛いなぁ。〉
僕はにやけながら準備を開始した。
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