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旅館に着いて、生徒は思い思いに過ごしていった
その旅館の異変に気付く者はおらず、先一週間をどう楽しむか予定をたてる者が殆どだった
ふと、部屋で休んでいた近衛があるものに気付く
「何かな…?」
引き出しの中に入っていたのだろうか
それは少し古びてきばんでいる日記のようなものだった
「…詩?」
そこには、誰も知らないこの先の未来を予知でもするような文章が書かれていた
――――…
何も知らぬ人形達よ…
未来の判らぬお前に託そう
先の判らぬこの場所で
お前はきっと後悔しよう…
踏み込んでしまったこの先に
お前はきっと絶望しよう…
拭われることなく
洗われることなく
永遠に永遠に
お前は苦しむだろう
時を歪みに染めたくなくば
その手で道を切り開け
私は知らぬ
お前らを
お前らは知る
惨劇を…
――――――…
そこで文は途切れていた
「なんだ…?先の未来?」
近衛がそう呟いて本を閉じると、外から悲鳴が聞こえた
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