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柳はくわえていた飴を離し、ぷらぷらともてあそぶように羣妬に向けた
「ところで、羣妬は明日どうすんだ?」
「私は、お留守番してますよ。行きたいのは山々ですけど、私まで行ってはしゃいだら……」
一旦そこで区切ると、羣妬は何やら不気味なオーラを出した
「…あぁ、そう…」
ひきつり気味に笑えば授業と称し、ジャンプを手にとる
「授業くらい真剣にやれ」
柳の行動に対してツッコミを入れたのは水面
ダルそうに片肘をついて前を見据えている
「あー…授業授業」
生徒達より気だるげにジャンプから目を離さず返答する
そんな柳の真横からすれすれで黒板に何かが突き刺さった
「いいからさっさとやれ。ファラが困ってる」
軽く瞳孔が開いているような少年は黒領
何かを投げたのも彼の行動だ
「……はい」
相変わらず彼女馬鹿だな。と呟いたのが聞こえたのか、黒領は、今度は刺すぞ。とシャーペンを構えた
どうやらさっき投げたのは定規のようだ
「く、黒ちゃん、それ位にしてあげて。柳先生も明日の修学旅行が楽しみで仕方ないんだよ」
黒領を抑えようと必死に弁解にならない弁解をしているのは、ファラ
黒領の彼女であり、黒領にとってかけがえのない存在にあたる娘である
柳はといえば、黒領の気迫に押されたのか、しぶしぶと黒板に向かう
それが、彼らの他愛のない日常だ
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