101号心優しきチンピラ

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「はぁ…っ!」 そんなことを考えながら 辿り着いたのは、 マンションから近い公園。 俺は息を整え、 「はよーざいますっっ!」 まずは腹から声出して 朝の挨拶。 これ、人間の基本だからな。 チンピラだって挨拶は 大事にしてんだよ、 それが俺流。 そして俺の挨拶に 答えてくれる人は… シーン… 誰もいないんだけどな。 いや、人はいるんだ。 散歩してるご老人、 新聞配達のガキ、 ジョギング中のお姉さん。 でも誰も俺を見ない。 まぁ、外見が悪いからな俺は。 みんなビビってんだろ。 慣れたこととは言え、 もうこうし続けて1年。 …結構淋しいもんだ。 .
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